こんにちは、今回はご家庭のエアコンを自分で洗浄するやり方を、プロが教える完全マニュアルを伝えします、私は環境衛生コンサルタントということもあり、空調設備を取り扱う知り合いが多いため、その知り合いと一緒に我が家の寝室のエアコン分洗浄の様子を解説しながらお伝えしていきます。
知り合いはエアコン分解洗浄を十数年経験してるプロ、そのプロに今回は家庭で自分で出来るやり方でお願いしやっていただきました。</p
エアコン洗浄の必要性
クリーニングを始める前にエアコンの汚れの質やクリーニングの効果を説明しておきます。
①エアコンの汚れ
エアコンは設置環境によって様々なホコリ、ヨゴレを吸い込んでいます、エアコンの主な汚れは「ダニ、ダニの糞、ダニの死骸、花粉、カビ菌、たばこの煙、ハウスダスト、排ガス、ペットの毛、キッチンからの煙」などを吸い込んでいます、これらのヨゴレの素が悪臭の原因になります。(カビ臭い)
エアコンの室内機はカビの温床と言えます、エアコンに生息するカビは5種類(レジオネラ、ペニシリウム、クラドスポリウム、アルタナリア、アスペルギルス)と言われています。
②エアコンクリーニングの効果
汚れたエアコンは本来の運動能力を低下させます、フィルターやファンが目詰まりを起こすと、空気の流入量が減り同時に吹き出し量も減ります、フィルターで取り除けなかったホコリやダニやヤニ、繁殖したカビなどで熱交換器の隙間が詰まってしまいます、熱交換器が汚れてくると温度を思うように変化できなくなりあまり冷たい風が出なくなったりします、同時に消費電力も増えてしまいます。分解洗浄はそういったエアコンのロスを抑え室内を快適な空間にする効果が得られます。
参考になる写真を張っておきます、ここが熱交換器です上が洗浄前、下が洗浄後になります、たばこを吸う家庭のキッチン近くにあるエアコンの写真です新品から5年間使用したもの(汚れレベル5段階中4)下の写真のように熱交換器がアルミの色(シルバー)で埃などが付着してない状態が綺麗な状態といえるでしょう。
どうですか皆さんもエアコンのフィルターを取ったその奥をちゃんと見てみてください
ではエアコン分解洗浄をやっていきたいと思います。
エアコンクリーニングで用意するもの
(商品はわかりやすいものを張り付けてあります)
①養生テープ
① マスカーテープ
どちらもホームセンターで売っています、養生テープはあまり粘着力の高いものだと壁紙を剥がしたりする恐れがあるので今回はこれを使います、マスカーテープは種類によって広げた時のビニールの部分の長さが違います。110cmぐらいが使いやすい。
②加圧式ポンプ
容量の多いほうが、より加圧出来るので洗浄効果は上がると思います。
これに似て圧力を掛けて水を噴射出来るものならば何でも良いです、似たものはホームセンターに売ってます。
③ドライバー(プラス、マイナス)雑巾、バスタオル、脚立(足場)バケツ
ドライバーは標準サイズ、バケツは開口部の大きい物、洗面器などでも可、雑巾は5枚程度あったほうが良いです,いらないバスタオルなどもあれば安心、脚立(足場)は登った状態で頭が天井にあたるかあたらないかぐらいの高さのものがあれば作業しやすいです。
④洗剤
プロが使う洗剤はメチャメチャ強力で吸い込むと咽るし肌につくと少し痛いぐらい強力です、ですので今回はアルカリ電解水に界面活性剤を混ぜて使います、アルカリ電解水は基本成分が水なので汚れへの浸透力が弱くプラスチックや金属に対し弾いてしまいます、それを緩和させるために界面活性剤を加えます、界面活性剤はマジックリンや、マイペットなどの一般的アルカリ洗剤にはほとんど入ってます、アルカリ電解水10に対して界面活性剤1程度の割合で混ぜれば大丈夫です。
プロ用洗剤
こちらがプロが使う洗剤と同等の物ですどうしてもピカピカにしたい方はこちらを使うのもアリですが、先に書いたように非常に強力な成分のため、ゴム手袋や眼鏡、マスクの着用をお勧めします。
この手の洗剤は大体希釈タイプです、原液~5倍の高濃度で使用するとエアコンのアルミフィンを腐食させる事が大いにあり得るので、最初は原液を1に対して水を30ぐらいの割合で使うことをお勧めします!それで落ちなければ洗剤濃度を濃くしてみてください。
以上が用意する物となります。
エアコンの分解
今回クリーニングする機種はシャープ製AY-M28YGXです、結構古い製品ですお掃除機能はついていないオーソドックスなタイプです、3年前に分解洗浄してからは、フィルターの掃除のみです。
写真1枚目、寝室のエアコンのためやはりホコリがひどいです、写真2枚目、吹き出し口のカビがヤバイですカビ臭さの原因のほとんどはこの辺りの吹き出し口のファン部分だと言われています、写真3枚目、熱交換器自体は比較的綺麗に見えますまだアルミ色をしていますがよーく見るとやはりカビらしきものが付着しています。
①本体カバーを取り外す
エアコンのコンセントを抜き、ルーバーを外しますルーバーは基本ハメ込み式になってるので左右どちらかにスライドする感じで簡単に外せます、そしてフィルターを取り前面パネルを開けた状態にします。
写真の赤丸部分のネジを取ります、基本的に固定されているネジはこの4本だけです、ネジの場所や本数は機種によって異なりますが大抵正面部分にあります、ネジ自体を隠してる機種も多いですがネジ隠しのプラスチックも爪で簡単に取れるものがほとんどです、あとは上下左右にはめ込みのツメが付いているので丁寧にハズして行きます。
こんな感じに下の方のツメを外し手前に引っ張り浮かせながら上に押し上げる感じで徐々に固定されているツメをとっていきます、結構力を入れないと取れない部分もありますが、ここは気合で外してください。
②電子部品を外す
本体カバーが外れた状態です、赤で囲っている部分以外に配線や電子部品がない機種はこの時点で分解は完了です、今回の機種は青で囲った部分に室温表示などの電子部品が付いている為これも外します。これもネジ1本で固定されており後はツメで固定されてます、ツメをマイナスドライバーですこし浮かせながら外していけば簡単に取れました。
この他にも温度センサーなどが熱交換器中央付近に付けてある機種も多いですが同様に外してください。
赤のラインより右側が濡れてはいけない部分、赤より左はプラスチックと発泡スチロールと金属だけの状態にします、本体から吊り下がっているのが先ほど青で囲った室内温度表示の部品です、写真のように本体から完全に取り外すのではなく洗浄時に濡れないところまで移動させる感覚で進めましょう。
ほとんどの機種はこの様に基盤やモーター等を右側に寄せて作られこからセンサーや各種表示画面などが配線を伝って伸びているので配線が付いているものはすべて外し右側に移動させ濡れない状態にしなければなりません。
これで分解は終了です。
エアコンの養生
養生をしていきます、養生の前にエアコンの近くに置いてあるものはできるだけ除けた方が良いです、特に電化製品や絨毯、カーテンなど濡れて困るものは極力無い状態にします。
①エアコン上部分の養生
マスカーテープを貼っていくわけですが、貼る前にシートの粘着テープをちゃんと貼り付かせるためにエアコン本体プラスチック部分を雑巾で綺麗に拭いてください、そして本体の上部分を左から右にぐるっと切れ目なく写真のように貼り付けます、この時シートがテープに干渉してしっかりと本体プラスチック部分に貼り付いてない個所や隙間が空いている個所は上記紹介にある養生テープなどでしかっり補強して洗剤や水が隙間から漏れない状態にしてください、結構テクニック必要ですがここで手を抜くと後で部屋がビチョビチョになりますので慎重にお願いします。下写真のように必ずプラスチック部分に緑の粘着テープ部分を貼り付けてください。
エアコン洗浄カバー
最近では左商品のようなエアコン洗浄カバーも売られています、代用するには良いと思います。
専用カバーを使用するときのコツはマースカーテープでの養生とは違いカバーをエアコン本体背面と壁のわずかな隙間にカバーを入れ込み、付属の絞り紐で固定するのが良いです。
養生しなければならない個所やなぜしっかり養生しなければならないかを理解出来ている人はエアコン洗浄カバーを使用したほうが便利だと思います。(慣れれば断然カバーのほうが楽ちん、そして何度も使える)
※今回は養生の重要性を理解してもらうためにもマスカーテープで説明しています。
②電気部品部分の養生
写真のように先程説明した濡れてはいけない部分を養生します、写真ではマスカーテープのみですが先に雑巾などを主要電子部品の上から被せ養生テープで固定し、その上からマスカーテープを貼るほうがより安全です、この部分を濡らしてしますと間違いなく故障の原因になります、ここは貼り付けれる部分が少ないため指で極力隙間を無くしながら貼り、養生テープなどで補強してください。
エアコン洗浄カバーを使用して行う場合は、この部分を先に濡れない状態にしてからカバーを取り付けます。
③エアコン下部分の養生
写真のようにエアコン底面部にマスカーテープを貼ります、これも左から右に切れ目のない状態で貼り付け隙間なども養生テープで補強します左右の貼りはじめと貼り終わりの部分が特に剥がれやすいのでしっかり養生テープで補強してください。
④マスカーテープを広げる
マスカーテープを広げていきます写真①のようにエアコン上部分の養生は天井や壁を濡らさないように広げ養生テープで固定していきます、写真②はエアコン下部分の養生の左右端を真ん中で貼り付け、左右どちらかのシートを反対側のシートに巻き付けテープで固定してだんだん細く筒状にしていきます、必ず片側のシートだけを巻き付けていかないと途中で漏れてしまいます、そして下にバケツを置きます、写真③は赤いラインより上は洗浄液等は基本的に下には漏れてきませんエアコンの特性上空気中の水分を取りその水滴を受ける発泡スチロール(ドレンパン)が付いている為です、洗剤や水はドレンパンで受け止められドレンホースを伝って室外に排出されます、赤ラインより下は洗浄液等を撒いた分だけ漏れ出てくるので写真のように受け取りバケツに貯めなければなりません。
ここまでの内容が理解できた方は、エアコン洗浄カバーを使用した方が安全かつスムーズに作業できると思います。
エアコン洗浄
洗浄していきます
写真① 今回使った加圧式ポンプ、安物です。洗剤を入れ加圧します、洗剤を容器満タンに入れてしますと加圧できなくなるので洗剤は7分目ぐらいまで入れる。
写真②最初はポンプ先端のノズルを絞り広範囲に噴霧していきます、熱交換器全体に噴霧するわけですが上部から下部へ噴霧するほうが効率化いいです、あと電子部品付近は向かって右側にあるのでノズルを左側に傾け洗剤の跳ね返りを抑え慎重に噴霧し絶対に濡らさないようにしましょう、電子部品付近の熱交換器はギリギリまで噴霧せず少しぐらいは洗浄できない部分があってもいいや!ぐらいの感じの方が安全です。
写真③熱交換器全体を噴霧出来たらノズルを開き直噴状態で熱交換器奥まで洗剤を打ち込みます。エアコンの機種によっては熱交換器がかなり太いもの(奥行5cmくらい)があるので、最奥部まで噴霧する事が重要です。
写真④吹き出し口部分は思う存分撒きまくってください、マスカーテープを広げるの写真③のようにシートを広げ流れてるく洗剤を受け取りながら奥にある筒状のファンも割り箸みたいなもので軽く回転させながら隅々まで洗浄してください、洗浄は洗浄液の種類や濃度、エアコン自体の汚れの度合いによってかなり変化しますが、自分でやってるんだから自分の気のすむまで打ち込めばOKです。(洗浄液をお湯で作ると洗浄効果は上がります)
注意点は汚れが落ちにくいばかりに熱交換器を擦ったりしないことですここのアルミフィン(縦の極細の板)は非常に曲がりやすく曲がればエアコンの機能低下に繋がってしまいますので気を付けてください、吹き出し口の方は、プラスチック素材ばかりなので歯ブラシみたいなもので擦りながら洗浄するのも良いです。
プロ用洗剤を使用するときは加圧ポンプから1滴2滴、垂れ落ちた洗剤でも床や壁紙が変色してしまう可能性があります。
すすぎ(リンス)
あえてリンスと書きましたが洗浄の段階で自分が納得できるぐらいまで汚れを落としてください、すすぎとは残った洗剤分と汚れを水で流すといった感覚です、やり方は洗浄と同じで大丈夫です、加圧式ポンプに水を入れて洗い流してください。(プロ用洗剤を使用する場合は、残留洗剤を確実に洗い流してください)
パーツ洗浄
取り外した本体カバーやルーバー、フィルターを洗浄していきます、プラスチック素材ばかりなので簡単です、お風呂場やお庭などで洗車ブラシ等を使い綺麗に洗浄して水分を拭き取り乾いた状態にしておいてください。洗剤は一般アルカリ洗剤ならなんでも大丈夫!加圧ポンプに入れた洗剤でも可。
組み立て
すすぎが終わったら熱交換器以外の見えてる所の水滴を雑巾で拭き取ります、マスカーテープ自体がまだかなり濡れているはずなので、雑巾を片手に電子部品の所は最後に取るようにしてマスカーテープをはがしていきます、(ここで電子部品部分を濡らしてしまわないように)マスカーテープを剥がし終えたら分解した逆に組み立てていきます、組み立てる時も水滴がかなり落ちてくると思うのでエアコン直下にバスタオルなどを引いておくとお部屋が汚れなくて済みます。
最終確認
組み立てが終わればてコンセントを差しエアコンを起動させます、この時大きめの雑巾やバスタオルで吹き出し口全体を覆うようにしてくださいファンに付着している水滴がファンが回り始めることによって吹き出してきます、冷房で風力最大にして1分ぐらいは吹き出し口を覆うようにしてください。
動作に問題なければエアコン分解洗浄は完了です。
エアコン分解洗浄まとめ
①体験してみて
写真の様に熱交換器もアルミ色を取り戻し吹き出し口付近のカビもほぼ除去出来ました同時にカビ臭もほとんど無くなり快適に睡眠できることと思います、やはりエアコンクリーニングは使用頻度の低いところでも3年に1回はしようと思います、ただ今回分解洗浄した機種はお掃除機能や特別の機能が付いていない機種になります、こういった簡素に製造されている機種は自分でできると思いましたがこれ以上機能が多い機種を自分でするのは難しいと感じました。
②分解洗浄のプロが語る
最近のエアコンは色々な付加機能が多く付属し年々分解洗浄をする難易度が上がってきてます、プロでも壊れるリスクが高い機種は分解洗浄を断ります、お掃除ロボ機能一つを取っても、今回のクリーニングの様にキレイにしてくれるわけでは決してありません、でもそういった機能が付いているばかりにプロでもきちんと内部までクリーニングするのは厳しくなってきています、果たしてそんな機能は本当に必要なのでしょうか?
私見ではありますが私は次にエアコンを買い替えるときはなるべく付加機能の少ないオーソドックスなタイプを選ぶようにしようと思います。
③自己責任
皆さん最後まで読んで頂き有難うございます、今回の記事はあくまで我が家のエアコンを題材に紹介しました、機種によって作りは様々です、もしご自身で分解洗浄をされる際は最新の注意と自己責任において行ってください。
ご自身で実際にクリーニングしてみようと思う方で質問等ありましたらお問い合わせフォームより受付いたしますのでお気軽にどうぞ
追記
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); // ]]>
コメント